最大生産設備を停止 来年5月末、家庭紙製造に転換 日本製紙石巻
日本製紙(東京)は14日、印刷用紙の主力拠点である石巻工場の最大生産設備を2022年5月末に停止すると発表した。
印刷用紙の将来的な需要減少に対応し、23年度後半をめどにトイレットペーパーやティッシュペーパーといった家庭紙の製造に転じる。
停止するのは同工場に6台ある抄紙機のうち、07年に稼働した同社最大級の「N6号抄紙機」。紙を連続的にすく工程と表面加工を一体的に行い、生産能力は年間約27万トンに上る。東日本大震災で被災したが、約1年後に運転を再開した。
主に雑誌やチラシ用の軽量コート紙などを生産するが、少子化やデジタル化で需要が減少。新型コロナウイルス感染拡大に伴う生活様式の変化もあり、印刷用紙全体の減少傾向は続くとみて判断した。
同社の広報担当者は「工場の規模縮小ではなく、N6号の停機によって生じる生産設備の余力や人材を成長分野である生活関連事業に活用する。人員整理は考えていない」と説明した。
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