命を守る決意、新たに 石巻市学校防災推進会議 「提言」具現化へ
石巻市学校防災推進会議の2021年度初会合が12日、市防災センター多目的ホールであった。「防災研修」「防災管理」「防災教育」のワーキンググループ(WG)で構成する会議のメンバーは、東日本大震災を教訓に園児、児童、生徒の命を守ることを前提にして、学校防災に取り組む決意を新たにした。
幼稚園から高校までの学校関係者や大学教授、消防、教育支援団体、市長部局のメンバーらをはじめ、事務局の市教委を含む二十数人が出席した。座長に東北大災害科学国際研究所の佐藤健教授、副座長に石巻市町内会連合会の井上誼一会長を選出。事務局が本年度のWGの取り組みを説明した。
「防災研修」では、教職員の災害対応力の向上や、大川小事故検証報告書にある「24の提言」の具現化などを狙いに研修会を6月22日から計4回計画。地域の特性や学校の実情に応じた防災拠点としての機能を組織的に整備する考えを示した。
地域防災連絡会の設置促進と充実に言及したのが「防災管理」。防災意識の高まりを受け、幼稚園・こども園から小中高校までの計59校園の全ての設置が完了した。関係者は「子どもを含めた地域住民の生命・安全の確保に努める体制づくりが整った結果」と語る。
「防災教育」では、防災教育副読本「未来へつなぐ」の内容の見直しや、幼稚園を含めた各成長段階に応じた防災教育の流れを考察することなどを確認した。副読本は小学校1~3年、4~6年、中学校の3種類。12月には副読本の活用状況調査も予定している。
境直彦教育長は「震災から10年が過ぎ、記憶の風化が懸念される。石巻の活動を広く発信し、次世代に伝えることが大切だ」とあいさつした。
推進会議は、学校防災の分析や考察を踏まえた今後の取り組みについて意見を聴取し、活動などに反映させるのが目的。大川小事故検証報告書の24の提言を具現化するための要にもなる。
会合は今後、10月28日と来年2月15日に予定している。