記者ログ(5/20):津波注意報の夜

 あの時の行動は適切でなかったと、反省している取材がある。宮城県内で最大震度5強を観測し、津波注意報が出た3月20日午後6時9分ごろの地震だ。

 夜のイベント取材を控え、岩沼市沿岸部に車を走らせていた時、身の危険を感じるほどの大きな揺れに襲われた。ラジオで速報を聞きながら地震取材に切り替えた。

 翌日の朝刊1面に載った岩沼の写真は「津波注意報発令」の電光掲示の下、内陸に避難する車の列を切り取ったものだ。海岸から2.6キロ地点で、撮影時刻は地震発生の約15分後、現地で写真送信を終えたのは約40分後だった。引き揚げる際、渋滞に巻き込まれた。

 「記者魂」と言えば格好いいが、本来は自らの安全確保が最優先だった。東日本大震災の被災者から津波の恐ろしさを何度も聞いてきたのに「ここまで津波は来ないだろう」と高をくくっていた。震災11年目の判断にがくぜんとしている。(岩沼支局・小沢一成)

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