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東松島・スケートボード協、会員募る 練習場新設に意欲

東松島市スケートボード協会の勝又会長

 5月に設立された東松島市スケートボード協会が市内にスケードボードの練習場を整備するための活動の一環として協会員を募集している。東松島市民が対象。勝又秀樹会長(43)は「世代や価値観を越えて、人々がつながることのできる遊び場を作りたい」と話している。

 協会には現在、市内のスケートボード愛好者約30人が会員として所属する。事務所を、東日本大震災以前は石巻市の水産加工会社が冷凍庫として使用していた同市魚町の倉庫に置く。

 倉庫は2013年、勝又会長やスケーター仲間らが水産加工会社から借り受け、スケートボード場「OnePark(ワンパーク)」としてオープン。石巻地方唯一の練習場として親しまれ、音楽ライブ、アートイベントの会場として活用した。プロの選手を招いたスクールも実施し、週末には技を磨く約30~40人の子どもたちでにぎわった。

 しかし17年7月、消防法の問題でイベントなどでの利用ができなくなった。以降、勝又会長らはワンパークの再開や2市1町での屋内施設の整備を目指してきた。

 「いい年してまだそんなことしてるの。なんて言われたりもします」と勝又さん。仕事を辞めてまでもパーク開設の活動にこだわる原点は、震災後にあった子どもとの会話にある。

 ワンパークを訪れた子どもに、ふと話しかけた。「好きな色は何?」すると「分からない」。子どもらしさをなくしてしまった姿に不安を覚えた。「子どもに自分を信じられる人間になってほしい。いろんな人と関わり、成功や失敗を通して多くを学べる場が必要だ」。

 追い風も吹いている。昨年12月には、東松島市議会定例会の本会議で渥美巌市長が、スケートボード練習場を市鷹来の森運動公園に整備するよう前向きに検討する考えを示した。スケートボードは20年東京五輪、24年パリ五輪の正式種目にもなっている。

 勝又会長は「スケボーをカルチャーとして残すために、地域のみんなで練習場を勝ち取りたい。それが10年、20年後の地域づくりにつながる」と先を見据えた。協会への入会はメールで申し込むことができる。連絡先 info@onepark.net

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