エレベーター新設、要望ようやく 東松島・上町学習等供用施設
東松島市がエレベーターの新設工事を進めていた、同市矢本の上町(かみまち)地区学習等供用施設の改修工事が完了し、19日、利用が始まった。3階まで急な階段の上り下りを余儀なくされてきた高齢者らは、念願がかない喜んでいる。階段を理由に行事への参加を諦めた例もあり、住民の交流促進に期待が高まる。
施設はJR仙石線矢本駅前にあり、市商工会と隣接する。鉄筋コンクリート3階で築41年が経過。調理台を備えた研修室や学習室があり、地元の三角公園自治会などが活動拠点としてきた。3階にある最も広い「集会室」は、敬老会の会場にもなっていることから、長年エレベーターの設置を求める声が上がっていた。
利用初日は、介護予防「いきいき百歳体操」に取り組む同自治会のサークル「いきいき三燦(さんさん)会」の活動があった。メンバー約20人がエレベーターを利用し「楽に通える」と笑顔を見せた。
三燦会は89歳までの高齢者約25人が毎週体操に励む。結成して間もなく4年。その間に足腰が弱って階段が上れなくなり、参加を断念した人たちもいた。メンバーの清水徳江さん(73)は「3階まで上るのは大変だった。ようやく設置されてうれしい」と語る。
完成式典で、渥美巌市長は「大いに活用して新たな催しなども企画してほしい」と呼び掛けた。
多目的トイレも設け、総工費は1億1258万円。うち防衛省の補助7422万円を充てた。集会室など3室には市の本年度予算でエアコンも設置した。