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宮城県定置漁協、ふ化団体に寄付金 サケの不漁で経営厳しく

寄付金の目録を手渡す県定置漁業協会の大友会長(右から2人目)

 記録的なサケの不漁で厳しい経営状況にある県内のふ化団体を支援するため、定置網漁を営む漁業者でつくる「県定置漁業協会」は19日、稚魚の買い上げやふ化場への助成を行う「県さけます増殖協会」に500万円を寄付した。

 贈呈式が東松島市役所であり、定置漁業協会の大友久義会長(64)=同市浜市=は「水揚げが激減して定置網漁業者も苦しいが、放流のおかげで漁ができる。役立ててほしい」と述べた。増殖協会の渥美巌市長は「伝統ある秋サケ漁を継続するため役立てる」と感謝した。

 増殖協会によると、県内の秋サケの海・川での水揚げは2019年に激減。20年はさらに少ない18万8000匹で、18年の18%にとどまり、最盛期だった08年の5%しかない。海水温の上昇に伴う影響とみられるという。

 県内では、14のふ化団体が16のふ化場で稚魚を育てている。川を上るサケが激減して採卵する親魚の確保が難しく、20年に放流した稚魚は18年の半数以下の2509万匹にとどまった。

 定置網漁を行う漁業者は、秋サケ水揚げ額の7%を各水系の増殖協会に納めている。水揚げ減少に伴い納入額も減り、昨年は県全体で最盛期の10分の1程度の約2800万円にとどまった。県や国はふ化場への稚魚買い上げ金額を増額したが穴埋めには及ばない。

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