石巻・津波伝承館が来月6日開館 県、感染落ち着き判断
県は21日、3月28日に開園した石巻南浜津波復興祈念公園内にある「みやぎ東日本大震災津波伝承館」が6月6日午後3時に開館すると発表した。開園に合わせて利用を開始する予定だったが、新型コロナウイルスの感染拡大で見合わせていた。
県は開館が長引き、地域住民や伝承活動団体から早期開館を求める声があったことや、県内で新型コロナの感染が落ち着いてきた状況を踏まえ判断した。
津波伝承館は公園(38・8ヘクタール)の中心部に国が建設。ガラス張り平屋で延べ床面積約1500平方メートル。うち800平方メートルに県が展示物を整備し、一部に国の展示スペースがある。開館時間は午前9時~午後5時。月曜休館(祝日の場合は火曜休館)。11日の月命日は開館する。入館無料。
県の展示は映像を軸に震災の記憶と教訓を伝える。当時の津波の映像が流れるシアターや県内各地の語り部ら約80人の証言映像の展示など、計7エリアを整備した。展示整備費は約3億5000万円。
国の展示は津波被害をより視覚的に伝えるため、被災遺物や津波襲来直後の写真が中心となる。各地の震災遺構や石碑などをつなぐ「3・11伝承ロード」の登録施設も紹介する。
エントランス部分の多目的スペース「思い致す場」は、震災関連の企画展や屋内行事を開く。
開館に先立ち、6月6日午後1時から津波伝承館で開館式典がある。村井嘉浩知事や沿岸15市町の首長、国、県内伝承団体の関係者ら約60人が出席する。
公園は震災で甚大な被害を受けた石巻市南浜地区に国、県、市が整備した。「追悼の広場」(約8000平方メートル)などがある。