泉区役所建て替え案 唐突な変更に地元が不信感

建て替えが予定される泉区役所(左)と広大な敷地

 仙台市は老朽化する泉区役所の建て替えで、事業手法などを定めた実施方針の最終案をまとめた。現在地の敷地活用に関し、昨年12月公表の中間案は貸し付けのみとしたが、最終案は一部売却を可能にした。新型コロナウイルスの影響で、参入意欲が落ちる事業者に配慮した「選択肢の追加」と説明する。だが、地元関係者は中間案からの唐突な方針転換に不信感を抱く。

 建て替えは、企画提案を審査して決める「公募型プロポーザル方式」で事業者を選ぶ。新たな区役所庁舎の建設とともに、地域活性化として商業施設やオフィス、教育施設などの入居を想定した建物も整備する。

 新庁舎や民間施設は約3万平方メートルある広大な敷地内に建設しても、周辺に用地を求めても構わない。敷地の活用は、中間案では定期借地契約による事業者への貸し付けとしていたが、最終案は面積の3分の1を上限とした売却が加わった。

 敷地を貸し付ける場合は、テナント入居型の商業施設などを整備することが想定される。売却する場合はオフィスビルや分譲マンションなども建設できる。

 市は方針転換の理由として、昨年12月~今年1月のパブリックコメント(意見公募)や事業者へのヒアリングなどで「敷地の売却を含めた提案ができるようにしてほしい」との意見が寄せられたことを挙げる。

 新型コロナの影響で賃料相場が下落。貸し付けでは事業者の採算が合わなくなり、建て替え事業への参入意欲が低下しかねないと懸念する。中間案は次回建て替えの用地確保のため貸し付けのみとしたが「一定範囲であれば売却しても問題ない」と判断を変えた。

 市財政企画課の浅野真晴課長は「売却という選択肢を追加することで幅広く、魅力的な提案を受けられるようになる。事業者の声や新型コロナの経済的な影響などを分析し、総合的に判断した」と理解を求めた。

 最終案は今月、地元の住民団体や経済団体による懇話会に説明された。「あまりに一方的な方針転換。再度のパブリックコメントをお願いする」「敷地は市民の大切な財産。慎重に進めてほしい」と異論が出た。

 市は実施方針を5月中にまとめ、6月ごろ事業者の公募要領を策定し、来年2月の優先交渉権者の決定を目指す。新庁舎は2026年度までに使用を始める。

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