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しょくば拝見>生活介護 障害福祉サービス事業所 つくし(石巻市鹿又)

利用者のニーズに合わせた支援を行う宍戸さん(前列左から2人目)とスタッフ

<利用者にやりがい提供>

 一人一人の意思を尊重し、日常生活や働く意欲を高められるような支援を行っている。施設名は「ツクシのようにまっすぐ暮らしてほしい」という願いが込められている。

 利用者は石巻地方の男女31人で20~70代と世代の幅も広い。それぞれが、さをり織り、菓子製造、缶リサイクルの三つの部門で仕事に励んでいる。障害の重い人でも、自信を持って楽しく生活できるように、毎週金曜日の余暇活動は映画観賞や買い物など、利用者がやりたいことを優先して実施。現在は新型コロナウイルスの感染防止対策で外出を減らしているが、工作やカラオケなど施設内で気張らしをする。

 2019年からつくしで運営する菓子処「あむーる工房」は、石巻市田道町1丁目の菓子店「ガトーアムール」閉店に伴い、職員が伝統の味を引き継いだ。石巻の郷土菓子「ボストンパイ」や「アップルパイ」などが人気で、根強いファンが多い。

 あむーる工房を担当する支援員大浪明子さん(45)は「お菓子を作るだけでなく、商品のラベル貼りなど、利用者の個性に合った仕事が必ずある。作業を通して、働く喜びや楽しみを感じてほしい」と語る。

 施設長の宍戸京子さん(66)は「年齢とともに身体機能の低下が考えられるので、毎日の行動や表情の変化を見逃さないようにしている。多様化していくニーズに対応できる力を養っていき、地域から愛される福祉を確立していきたい」と話した。

■法人概要
 社会福祉法人石巻祥心会が運営。2010年2月、障害者支援施設「第2ひたかみ園」(石巻市蛇田)から生活介護事業所として独立した。19年には事業の拡大に伴い、定員を20人から30人に増やした。スタッフは11人。障害の重い人でも習得可能な技能を身に付ける作業や、充実した生活が送れるサービスを担う。石巻市鹿又扇平123。0225(75)8741。

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