河北抄(5/25):仙台市の書店員佐藤厚志さん(39)が著し…

 仙台市の書店員佐藤厚志さん(39)が著した中編『象の皮膚』は、仙台駅前の書店で働く若い女性が主人公。今年の三島由紀夫賞候補に挙げられたが、惜しくも選に漏れた。「次」を期待したい。

 「次」は数週間後にやってくる。同作が芥川賞にノミネートされるかどうか、宮城の文学界わいが注目している。

 「同じ純文学系で一度落選したのに」といぶかる向きもあろうが、賞の主催者と選考委員が違えば、評価も変わろうというもの。実際、両方で候補となり、三島賞を逃して芥川賞を受けた作品に、2020年上半期の高山羽根子さん『首里の馬』、15年上半期の又吉直樹さん『火花』などがある。

 両賞の宮城県関係では、1991年の三島賞に佐伯一麦さんの『ア・ルース・ボーイ』が、91年上半期の芥川賞に辺見庸さんの『自動起床装置』がそれぞれ選ばれた。以来、受賞者は現れていない。

 30年分の宿願を背負う佐藤さんは、昨年の仙台短編文学賞で選考委員の作家柳美里さんが大賞に認めた逸材。『象の皮膚』の単行本は来月28日に発売される。

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