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原発処理水、海洋放出反対が大勢 既に風評被害 県連携会議水産部会会合

海洋放出への反対意見などが出た会合

 東京電力福島第1原発の放射性物質トリチウムを含む処理水を2年後をめどに海洋放出する政府決定を受け、県はこのほど、県内の農水産業や観光業、自治体などの代表者でつくる「処理水の取扱いに関する宮城県連携会議」を立ち上げた。24日には水産関係団体の意見を集約し、対応を協議する水産部会の会合が、石巻市あゆみ野5丁目の県石巻合同庁舎であった。

 会合は11日(仙台市)に続いて2回目。県漁協や県水産物流通対策協議会など、7団体から約30人が出席、海洋放出そのものに反対する意見が大勢を占めた。

 出席者からは「国や東電は風評被害への認識が甘く、国民に納得いく説明がされていない」「海洋放出以外の方法を求めるべきではないか」などといった意見が出された。

 流通関係団体からは、4月13日の政府決定以降、風評被害は既に発生しているとの声もあり「取引が中止になってしまったものがある」という報告もあった。

 県水産林政部の佐藤靖部長は「関係者の懸念をしっかり伝えて業界全体を支援していきたい」と話した。

 県は、今後も関係団体から意見を聞き、より具体的な要望を国や東電に提示する方針。