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震災支援に感謝 石巻出身の画家・柴田さん、東京で展示会 来月1~6日

作品展で展示する絵を前にする柴田さん(奥)とあま音ちゃん

 石巻市大街道西2丁目のNPO法人「にじいろクレヨン」代表で、同市出身の画家柴田滋紀さん(45)は6月1日から6日まで、東京・銀座のギャラリーで作品展「いのち礼賛」を開く。東日本大震災後に都内で開くのは初。震災の影響で一時的に絵が描けなくなった柴田さんが石巻を支援してくれた人たちがいる地で「元気であることを報告する」のが趣旨だ。

 作品展は昨年、地元石巻をはじめ、仙台市と妻の礼華(あやか)さん(40)の実家がある山口県長門市でも開いた。新型コロナウイルスの感染拡大で延期にしていた東京には、支援してくれた企業や学生時代の友人がいる。

 震災当時、門脇地区で被災した柴田さんは「生きるか死ぬかの経験をした」と語る。精神的に追い込まれ画家をやめようとしたこともあった。一方でNPOを設立し、絵や遊びを通した子どもたちの支援に全力を注いだ。自由な発想で表現する子どもたちに触れるうちに絵を描く道筋が見え、再び画家として筆を握ることができた。

 展示するのは、震災後10年をテーマにした具象画「刻(とき)」など50点。「震災前とは、絵に向かう心持ちが一変した」と話し、以前は画家として確立しようと修行のように描いていたが現在は、生命力そのものである子どもたちから教えられた「人間活動の一つとしての表現」を楽しみながら制作したという。長女のあま音ちゃん(1)と共作する新境地も試す。

 展示は「ギャラリー杉野」(中央区銀座1の5の15)で午前11時~午後6時(最終日は午後4時)。作品は販売もして、収益の一部をNPOの活動資金に充てる。連絡先は同ギャラリー03(3561)1316、にじいろクレヨン090(2909)2729。

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