河北抄(5/29):旧奥州街道沿いに十数軒の商店などが並ぶ富…

 旧奥州街道沿いに十数軒の商店などが並ぶ富谷市富谷新町地区は「富谷宿」と称されたかつての宿場町。一部の店舗に残る江戸期の文書「商売書き上げ」に、地区で当時、荒物屋や旅篭( はたご )など114軒が営んでいたと記されている。病気や高齢の店主が多く、荷物を運ぶ助成を増やすよう訴えた願書もあり、活況とともに辛苦に直面した様子がうかがえる。

 地区の一角に今月中旬、市が整備した観光施設「富谷宿観光交流ステーション(とみやど)」がオープンした。物販店などがテナントとして入る一部の建物は古くからある商店の主屋や土蔵を改修して生かし、歴史の重みを今に伝える。

 当初、昨秋を見込んだオープンはコロナ禍に直面し、2度の延期を経た。政府が出したまん延防止等重点措置の解除を踏まえ、満を持して迎えた初日は、本来の計画より利用時間を5時間短縮した。

 式典も簡略化され、市の担当者からは「盛大に宣伝できず、もどかしい」との声が聞かれた。ウイルスがもたらす今日の苦境が解消され、真に往時のにぎわいが戻る日が待ち遠しい。

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