石巻魚市場は「世界一長い」? ギネス記録申請へ 海づくり大会前の認定目指す
石巻市は、石巻魚市場を「世界一長い魚市場」としてギネス世界記録に申請する方針を固めた。東日本大震災で被災し、現地再建した施設の延長は876メートル。これまでも「世界最大規模」などとうたってきた水産都市のシンボルに確かな称号を与え、国内外にアピールしたい考え。
魚市場は1974年、現地に移転。延長654メートルの荷さばき施設は当時、東洋一と呼ばれた。震災後の現地再建で延長が1.4倍に拡大した後は世界最大規模とも言われるが、いずれも明確な裏付けはなかった。
ギネス申請は2015、16年ごろ、市水産復興会議で持ち上がった。市は17年に申請を模索したが、いったん断念。その後、関係者がギネスワールドレコーズ社と調整を続け、「一続きの直線の魚市場の長さ」のカテゴリーで記録開設が可能だとの報告を受けたことから、挑戦を決めた。
復興会議の座長を務めていた魚市場の須能邦雄前社長は「認定されれば世界一という最高のブランドが付き、大きな観光資源になる」と歓迎する。漁船誘致にも効果が期待され、魚市場の佐々木茂樹社長は「市場全体の水揚げ量が増加し、流通も活発になる」と見通す。
市内では10月、「第40回全国豊かな海づくり大会」が県内で初めて開かれ、魚市場も会場になる。市は6月下旬にも申請し、大会前のギネス認定を目指す。
市水産課の担当者は「魚市場は復興のシンボルとして整備した。認定で関心が高まれば、海づくり大会で水産都市・石巻を強く発信できる」と語った。