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防災林維持に結集 住民参加型のモデルに 東松島・大曲浜

クロマツの苗木を植える参加者

 東日本大震災で流失し、植樹が続けられてきた東松島市大曲浜の海岸防災林の整備に地域住民が携わる「第1回みやぎ海岸防災林・森林(もり)づくりイベント」が3日、現地であった。住民らが苗木を植えたり、散策したりしながらクロマツの成長を確認した。イベントは今後も継続し、草刈りや枝払いに住民が参加する体制づくりを目指す。

 大曲まちづくり協議会と県、市が主催した。大曲地区の住民や県、市の関係者ら約50人が、補植が必要な約500平方メートルにクロマツの苗木200本を植えた。

 公募で選ばれたイベントのスローガン「みんなで育てよう 海岸に緑輝く防災林」も発表された。考案した鈴木敏正さん(85)は大曲まち協の活動で震災直前の3年間で計1800本の植樹に関わった。「当時植えた木が津波に耐えて成長していたと知り感動した。苗木を大事に育てて次世代に役立てたい」と語った。

 大曲浜の防災林は東西5・2キロの34ヘクタール。震災前には県矢本海浜緑地があり、白砂青松の景観で親しまれてきた。再生を目指して2015年から苗木17万本が植えられてきたが、防風や防潮、飛び砂抑止に役立つには最低でも10年が必要。継続した維持管理が不可欠だ。

 大曲まち協の鎌田司郎会長は「まちを守る防災林に育つよう、力を合わせて手入れをしたい」と話す。

 県は被災した防災林97ヘクタールの整備を20年度に完了した。県と沿岸10市町、協力企業などで組織する「みやぎ海岸防災林・森林(もり)づくり協議会」を今年3月に立ち上げ、住民と一体で防災林を維持する体制づくりを目指す。大曲浜をモデルに活動を県内に広める方針。

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