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石巻専修 初戦飾れず 最後まで諦めず奮闘 全日本大学野球選手権

試合終了後、観客席へあいさつに向かう石巻専修ナイン
石巻専修大の先発斎藤
力強く選手宣誓する門脇主将

 第70回全日本大学野球選手権記念大会(全日本大学野球連盟など主催)が7日、神宮球場などで開幕した。南東北大学野球連盟代表の石巻専修大は、同球場の開幕試合で天理大(阪神大学野球連盟)と対戦。0-7で完敗し、4年ぶり5度目の全国舞台は初戦敗退に終わった。選手たちは東日本大震災の発生から10年となった石巻に活力を与えようと、最後まで勝利を諦めない勇姿を見せた。

 「立ち上がりが全て」と臨んだが、初回に先制され主導権を握られた。投手5人のリレーでつないだが、八回に天理大打線につかまり、コールド負けした。

 相手の先発井奥に零封された。石巻専修大は初回、1番小川が左方向に運んで出塁。続く斉藤、4番小林の犠打飛で三塁まで進んだが、先制には至らなかった。その裏に3点を先取され、試合は終始天理大ペースで進んだ。

 二回から六回は三塁も踏めず、散発4安打に終わった。酒井健志監督は「3点ビハインドで相手投手に余裕を与えてしまった。浮いた球などチャンスもあったが、打線がつながらなかった」と振り返った。

 投手3人が粘り、0-3のまま迎えた七回には、作山がセーフティーバントと犠打で2死三塁まで進んだが、あと一本が出ず、得点できなかった。

 門脇瑠太主将は「打線をつなげる役割を果たせなかった。もっとチームを活気づけるプレーをしたかった」と語り、「後輩たちには常勝軍団を目指してもらいたい。来年は宿敵の東日本国際大を破り、全国で勝てるチームになってほしい」と後を託した。

石巻専修大 00000000-0
天理大   30000004-7
(八回コールドゲーム)

 (石)斎藤、渡辺、渋谷、小野、清水-角田(天)井奥-小林▽三塁打=友杉(天)▽二塁打=山尾(天)

〇先発斎藤、気負いから失点
 石巻専修大の先発斎藤が初回、天理大打線につかまった。先頭打者山尾の右中間二塁打と3番友杉の左前適時打で先制を許すと、2死満塁から中前適時打でさらに2失点。「気負ってしまい、気持ちが入りすぎた」と自戒した。

 酒井監督は「普段はもう少し力が抜けて腕を振って投げられる。立ち上がりに力んだボールを痛打された」と無念さをにじませた。

 それでもスライダーを軸に二回以降は相手打線に的を絞らせず、三回は無死二、三塁から3連続三振に仕留めた。

 3回を投げ、2番手の渡辺に託した。悔しさの残る73球となり、「全国レベルの打者を抑えるには力が足りない。この経験を糧にもっと大きくなりたい」と前を向いた。

【門脇主将が選手宣誓】
 石巻専修大の門脇瑠太主将は、神宮球場で行われた開会式で力強く選手宣誓した。

 東日本大震災から10年を迎えた年に全国の舞台に立ち、「新型コロナウイルス禍で不安な日々を過ごす方や震災からの復興に向けて頑張っている方に勇気と笑顔を届け、最後の一球まで執念を持ってプレーする」と誓った。

 試合後、宣誓を振り返り「人生で初めての経験で緊張したけど、思っていることは伝えられた。試合では要所要所で気持ちの入ったプレーができた」と話した。

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