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保存食材で「自炊塾」 非常時にも応用 石巻・フードバンクが企画

 フードバンクいしのまき(末永博代表)は9日、缶詰など保存食を食材に使った「自炊塾」を石巻市総合福祉会館みなと荘で開いた。食費が節約できるだけでなく、自ら調理することで食への関心が高まる自炊。工夫する楽しさや、感謝の心なども育まれ、さらには災害時のサバイバル食にも応用できる。

 事業は独立行政法人福祉医療機構から助成を受け、初めて企画した。食材は各家庭に保存されており、フードバンクへの提供も多い缶詰、インスタントみそ汁などを使用した。

 新型コロナウイルス感染拡大防止のため、参加者を調理台の数と同じ4人に絞って開催。石巻市の就労支援カレッジぴゅあ・さぽーと、東松島市くらし安心サポートセンターの利用者が調理に挑戦した。

 メニューはサバの缶詰と無洗米の炊き込みご飯、魚肉ソーセージ使った卵ロール、乾燥ワカメを入れたみそ汁の3品。東京都の平均的な食費、1食270円を下回る金額に設定した。

 卵ロールはポリエチレンの袋で卵を混ぜ、そこに魚肉ソーセージを入れ密封。それをアルミホイルでくるみ、お湯で20分ゆでるだけの簡単調理だ。

 無洗米を使うのも、ご飯と卵ロールをワンプレートに盛り付けるのも、後片付けの容易さと、水の使用量を抑えることに配慮した。調理後、試食した参加者はみな満足げな表情を見せていた。

 フードバンクいしのまきは、外食やコンビニ弁当などと比べて格段に節約できることから、自炊の回数を増やす提案をしている。ただ自炊には手間と時間、光熱費も掛かることから敬遠する人が少なくない。そこで今回は時短、簡単、節約のポイントを押さえた実習となった。今後も開催を継続する。

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