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命守る学校防災に決意 大川小で初の新採教職員研修

震災前の学校の様子などを説明する佐藤さん

 県教委は15日、東日本大震災の津波で児童74人と教職員10人が犠牲となった旧石巻市大川小で、新規採用教職員を対象にした初めての防災教育研修を実施した。参加した156人は、事故の教訓を踏まえ、子どもたちの命を守る学校防災に取り組む決意を新たにした。

 6年生だった次女みずほさん=当時(12)=を亡くした元教員で大川伝承の会共同代表の佐藤敏郎さん(57)は、震災前の学校の様子や校舎の概要などを紹介した上で「『先生、山に逃げよう』と子どもが言ったように、救えた命があった。救いたかった」と述べ、有事の際の素早い判断力と行動力の必要性を説いた。

 説明を終えた佐藤さんは「それぞれ学校に帰ったら大川小の話をしてもらえばと思う。先生は子どもたちを守ることができる素晴らしい職業」と、エールを送った。

 市河北総合センターに場所を移しての研修では、みずほさんと同級生だった長女小晴さん=当時(12)=を失った東松島市矢本一中校長の平塚真一郎さん(54)が「未来の命を守るために~東日本大震災大川小学校事故に学ぶ」を演題に講義した。

 平塚さんは「学校は子どもの命を守り切る所。心に留めなければならい」と強調。「他人事(たにんごと・ひとごと)を自分事としてとらえ、想像することが大事」と防災教育の心構えを伝えた。

 新規採用教職員研修に先立ち、9日には新任校長92人の防災教育研修もあった。

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