ホヤ形取ったグミ開発 マル賢みかん果汁を活用 石巻・珈琲工房いしかわ
石巻市北村の珈琲(コーヒー)工房いしかわは、石巻特産のホヤの形をしたグミを開発し、近く販売を始める。原材料にホヤを使用しているわけではなく、そのユニークな形を生かしたお菓子。ホヤの身が黄色いことから味の決め手には、石巻市民に長年親しまれている和歌山県有田川町賢(かしこ)地区産の「マル賢(けん)みかん」の果汁を使用。ホヤの形とマル賢みかんを組み合わせた。商品名も「“組(グミ)”合わせ」と、しゃれっ気たっぷりだ。
ホヤの形をしたグミは高さ4センチほど。社長の石川光晴さん(66)が、知人に頼み、成長途中の小ぶりなホヤを牡鹿半島から入手。数個の型を取り、上部の丸いコブがかわいらしいホヤの子どもの形を得た。
ホヤの身が鮮やかな黄色であることから、材料にかんきつ類を使うことは決めていた。そこでひらめいたのが、マル賢みかんだった。早速、生産団体のマルケン共選組合にコラボを申し入れ、果汁100%ジュースの使用が決まった。甘さ控えめで、程よい酸味が後味を引き立てる。
殻の赤い部分の着色には西洋野菜のビーツを使用、ホヤそっくりの見た目に仕上がった。苦労したのはグミの硬さ。試行錯誤を重ね、プリプリしながらも、軟らかみがある新鮮なホヤに近い食感にたどり着いた。
珈琲工房いしかわは、これまでも東日本大震災後に販売が途絶えていた「かきあめ」の再現をはじめ、コーヒー風味のようかんと大福に石巻の懐かしい風景をラベルにしたドリップコーヒーをセットにした「石巻の香り」など、アイデア商品を開発してきた。
徐々に上がってきてはいるが、全国的にはホヤの知名度はまだ低い。石川さんは「ホヤグミを、ほっと一息つくコーヒータイムのお供にしてほしい。ホヤが茶のみ話に上がれば作戦成功」と笑う。
価格設定は3個入りで500円以下を検討。6月末までには市内の土産物店などで販売を始める予定。