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コロナ禍の子ども食堂、活動模索 宅配転換で出費かさむ 東松島

佐々木さん(右)からお菓子などを受け取った昆野さん(左から2人目)らメンバーたち

 東松島市赤井で子ども食堂を運営する住民組織「だんらんかぞく」が、新型コロナウイルス禍で活動の在り方を模索している。集まって食事をするのが難しくなり、支援を必要とする市内の家庭に無償で手作り弁当を届ける形に暫定的に切り替え、活動を続ける。無償化に加え、感染症対策で使い捨て容器などの出費もかさむ。地元の農家や企業などからの寄付が運営を支えている。

 だんらんかぞくは、柳北自治会が2018年2月に始めた「ありあけだんらん食堂」の活動を引き継ぎ、元自治会長の昆野美津子さん(63)を中心に、子育て中の女性ら8人で20年2月に発足した。

 月1回、柳北地区センターで地区内の子育て世帯や1人暮らしの高齢者らに夕食を提供してきた。子どもは無料、大人は300円。3月にはひなまつり、12月はクリスマスと季節感ある献立に腕を振るい、毎月120~170人が集まった。東日本大震災後に移り住んだ若い世帯が多い同地区にとって交流の場でもあったが、コロナ禍で休止を余儀なくされた。

 昨年12月からの4カ月間は、市や市社協から紹介された市全域の困窮する子育て世帯や、単身の高齢者らに月1回食事を無償で提供。感染拡大が続いた4月以降は弁当に切り替えた。

 活動を支えるのは助成金や寄付金のほか、農家や企業、有志団体などが提供する食材だ。8日にはパチンコ店ダイナム矢本店(同市赤井)が不要になった景品のお菓子や缶詰を届けた。「地域で困っている人の力になれたらうれしい」とダイナム経営企画部の佐々木彰さん(42)。一人親できょうだいが多いなど、お菓子を買う余裕がない家庭に配る予定で、メンバーたちは「子どもたちが喜ぶ」と感謝した。

 コロナ収束後は会食形式に戻す方針。昆野さんは「食事を囲んで家族同士がつながれば見守りになり、防犯・防災にもつながる」と強調。息の長い活動を目指す。食料の寄付も呼び掛けている。連絡先は昆野さん090(2846)0724。

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