五輪男子バレー代表入り 石巻・雄勝出身の藤井直伸選手
日本バレーボール協会が21日発表した東京五輪の男子日本代表に、石巻市雄勝町出身の藤井直伸選手(29)が入った。東日本大震災で被災した地域の期待を受け、日の丸を背負って世界の舞台に立つ。
藤井選手は協会のホームページに「初めて日本代表に選ばれた時から、東京五輪に出場したいという思いでやってきたので素直にうれしい」と喜びのコメントを出した。クイック、パイプなどを軸とした速いバレーを展開し、仲間を鼓舞することでチームへの貢献を誓った。
石巻市大須中でバレーを始め、古川工高、順大に進学した。2014年に実業団の東レアローズ(静岡)に入団し、正セッターで活躍。17年に日本代表に初選出された。
大学1年の時、広島市で合宿中に雄勝町の実家が震災で被災した。家族は無事だったが、仮設住宅での生活を余儀なくされた。「震災直後、バレーボールを続けることを諦めた時もあった。そんな時に支えてくれた家族、大学関係者には感謝してもしきれない」と振り返る。
「たくさんの後押しがあったからこそ、日の丸を背負って戦うことができる。今度は自分が力を与えられるように胸を張って頑張る」と決意を示した。
市は藤井選手の五輪代表入りを祝い、本番での活躍を願う懸垂幕などの設置を検討している。