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石巻地方で自主製作映画ロケハン 石巻西高元校長の震災体験、原案

石巻市広渕付近を歩いて確認する(左から)舞木さん、山本監督、斎藤さん

 石巻西高の元校長斎藤幸男さん(68)=塩釜市=が東日本大震災での体験をつづった「生かされて生きる-震災を語り継ぐ-」(河北新報出版センター)を原案とする自主製作映画「有り、触れた、未来」の製作が決まり、撮影地選定のため関係者が17~22日、石巻地方を訪れた。

 斎藤さんと斎藤さんの長女で同作品のプロデューサーチーム「アンチェインイレブン」の舞木ひと美さん(31)=東京都世田谷区=、監督・脚本の山本透さん(52)=同=が病院や保育園、工場、アパートなどを回った。舞木さんは俳優として出演も予定する。

 映画は、病気や事故など身近に起こりうるさまざまな死を描いたオリジナルストーリーに、地元の園児が命について話し合うドキュメンタリー映像も盛り込み、「人は支え合いつながって生きていくもの」というメッセージを投げ掛ける。

 全編を県内で撮影し、オーディションで選んだ県出身の新人女性俳優らが出演。2023年春の劇場公開を予定する。

 山本監督は昨年、仕事の関係者など親しい人の死を経験し、今作品は自身の体験とも重なる。そんな時に手にした斎藤さんの著書にある「困ったときはお互いさま」という言葉に触れたり、3月11日に石巻市内などを訪れ、震災で家族を亡くした人に聞いた話に深い感銘を受けたりして映画化を決めた。

 新型コロナウイルス禍で閉塞(へいそく)感が増し、自殺者が増えていることなどを危惧。「映画を見た人に『生きる力』『命の尊さ』を届ける作品にしたい」と話す。

 映画の協賛金を1口1万円から募っている。連絡先は、アンチェインイレブン03(4500)4408。

映画「有り、触れた、未来」

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