石巻税務署管内路線価 工業港曽波神線1位、10年連続
仙台国税局は1日、2021年分の路線価(※)を発表した。石巻税務署管内の最高路線価は10年連続で石巻市恵み野2丁目の「石巻工業港曽波神線通り」で、1平方メートル当たり6万3000円だった。価格は2年連続の横ばい。東日本大震災から10年が経過し、復興需要収束後の高止まり傾向が見られる。
曽波神線通りは、沿線にスーパーや飲食店、家電量販店など商業施設が集まる。三陸沿岸道の石巻河南インターチェンジに近く、近隣市町からの集客力が高い。震災の影響で12年から石巻税務署管内の最高路線価地点となり、15年は変動率が東北トップの7.4%に達するなど価格が上昇。その後は上げ幅が縮小し、昨年から横ばいとなった。
石巻市の中心市街地では、JR石巻駅前の石巻停車場線が1平方メートル当たり6万1000円、昨年開通した新しい内海橋と接続する中央3丁目は3万3000円で共に前年と同じ。多くの地点で変動がなかった。
県内の10税務署別の最高路線価は仙台中税務署管内の仙台市青葉区中央1丁目「青葉通り」が330万円でトップ。2位は仙台北税務署管内の青葉区本町2丁目「広瀬通り」で197万円。石巻工業港曽波神線通りは5位だった。前年より上昇したのは仙台と塩釜の4地点、横ばいは古川や気仙沼など6地点で、下落はなかった。
県内の標準宅地の平均変動率は前年比3.4ポイント減の1.4%だった。9年連続の上昇となったが、上昇幅は縮小した。
用途別主要標準地の評価基準額は、住宅地が石巻市中里5丁目で1平方メートル当たり4万3000円。商業地は石巻市恵み野2丁目の6万3000円。ともに前年と変動なかった。
(※)路線価
1月1日時点の主要道路に面した土地1平方メートル当たりの評価額。相続税や贈与税の税額を算定する際の基準となる。国土交通省が発表する公示地価をベースに、売買実例や不動産鑑定士の意見などを踏まえて国税庁が算定する。同一地点では公示地価の8割程度の水準となる。