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コロナ下の生産者応援 農水産物、バスで石巻から東京へ 夕方には店頭に

高速バスにクーラーボックスを収納する漁業者ら

 宮城交通(仙台市)は、新型コロナウイルスの影響で、販路が縮小された農水産物生産者の販路拡大のため、旬の食材を収穫直後に高速バスで乗客と一緒に運ぶ「客貨混載」を始めた。生産性と食材のブランド力向上を狙い、同じくコロナの影響で利用が低迷しているバスの空きスペースの有効活用を図る。

 初回の2日は、午前6時半ごろから、石巻と塩釜の漁業者が、ミヤコーバス石巻営業所(石巻市東中里1丁目)で積み込み作業に当たった。仙台湾で捕れたカレイやタイ、石巻市雄勝町のホヤなど約50キロをクーラーボックス三つに詰め、石巻発東京行きバスのトランクルームに収納した。

 バスは石巻駅と仙台駅を経由し、午後2時半ごろ、東京に到着。商品は夕方に都内2カ所のスーパー、キッチンコート永福町店(杉並区)と同吉祥寺店(武蔵野市)で販売された。

 取り組みは県内の漁業者や農業者らが考案した「コロナに負けない!食の宝庫 東北!食べて応援プロジェクト」に、宮城交通が賛同して実現。

 食材がその日のうちに大消費地・東京に届くだけでなく、仲買人や市場を介さないため、流通コストを削減し、安価で提供できるメリットもある。

 宮城交通ではコロナの影響で、高速バスの利用者が6割減と落ち込んでいる。関係者は「石巻を含め、宮城の食材が首都圏に広まれば、地域の活性化になる。バスの路線維持にもつながるだろう」と期待した。

 今後は農産物の輸送も視野に入れ、毎週、火、金曜日の朝に石巻を出る便で実施していく。

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