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高校野球宮城大会・3回戦 石巻商、地元勢対決を制す

【石巻商-石巻】石巻商6回無死三塁から木村遼が先制の右前適時打を放つ=鹿島台中央野球場
試合を終え、ベンチ前に整列する石巻ナイン

 第103回全国高校野球選手権宮城大会は15日、鹿島台中央野球場と石巻市民球場で3回戦4試合を実施した。石巻勢は、石巻商と石巻の地元同士が鹿島台中央野球場で対戦。2-1で石巻商が勝利し、石巻勢で唯一4回戦に進出した。

 石巻商の次戦は18日。鹿島台中央野球場で東北学院榴ケ岡とベスト8進出を懸けて激突する。正午プレーボールの予定。

   ◇

【3回戦】(鹿島台中央)
石巻商 000001100-2
石 巻 000000100-1
(商)阿部航-新田(石)木村-千葉
▽三塁打=村上悠(商)

〔評〕石巻商が接戦を制した。六回、無死三塁から木村遼の右前適時打で先制。七回にも1点を加えた。投げては主戦阿部航が反撃を1点に押さえ、逃げ切った。石巻は七回、2死一、二塁で千葉が右前適時打を放ったが、好投する主戦木村を援護しきれなかった。

<大接戦に熱い応援>
 石巻勢対決となった3回戦は、1点を争う投手戦となった。スタンドには多くの保護者が集まり、拍手やメガホンで選手にエール送った。

 両チームは春から2度、顔を合わせている。5月の春季大会は石巻商、6月の定期戦代替試合は石巻が勝利し、夏を迎えた。

 石巻の小野寺翔汰主将の父雄茂さん(48)は試合前「自室や日和山の石段でトレーニングする姿を見てきた。力を出し切ってもらいたい」と見守った。

 石巻商の新田樹主将の父仁利さん(43)は「リベンジを願い、再戦を楽しみにしているようだった。勝ってほしい」と扇の要として活躍する姿に目を細めた。

■石巻商 主戦・阿部航
 石巻商は主戦阿部航成が122球1失点の完投で、石巻を下し、4回戦に進んだ。疲れが見え始めた七回に失点するも「この仲間とまだ戦いたい。バックを信じた結果が勝ちにつながった」と笑顔で話した。

 伸びのある直球が持ち味だが、この日はスライダーとカーブなどを織り交ぜ、打たせて取る投球が光った。得点圏に走者を許しても、内角を意識させてから外角球で打者を詰まらせ、傷口を最小限にとどめた。

 石巻商の16強入りは2014年夏以来。「石巻勢の思いを背負って次も全力で腕を振る」と力を込めた。

■石巻 小野寺主将
 「悔しかったり、楽しかったりするのが野球。3年の小野寺と木村を中心にいい形の野球ができた」。試合終了後、石巻の早坂憲人監督は淡々と振り返った。

 互いに研究を重ね、手の内を知り尽くしたチーム同士。小野寺翔汰主将は「自分が知らない苦手なところまで知られていた」と唇をかんだ。相手主戦の阿部航に内角を攻められ、持ち味の長打力を封じられた。

 地元でしのぎを削ったライバルであるとともに、仲間でもある。「勝ったからには、自分たちの目標だったベスト4に進んでほしい」とエールを送った。

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