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石ノ森萬画館が20周年 市民、ファンに感謝 石巻

萬画館開館20周年を祝う石巻小鼓笛隊の演奏
石ノ森萬画館ができるまでの軌跡を振り返ったトークイベント

 石巻市中瀬の石ノ森萬画館が23日、開館20周年を迎えた。東日本大震災での被災から復活を果たし、市の観光再生と復興の象徴となった。実行委が同館で記念式典を開き、市民や全国のファンに感謝を伝えた。石巻小5、6年生101人による鼓笛隊パレードもあり、次代のまちづくりへの思いを新たにした。

 実行委員長の斎藤正美石巻市長はあいさつで「市内外のファンの支えで震災に負けず漫画文化を発信し続けられた。未来にも愛される施設を目指し、観光振興につなげる」と語った。

 運営会社「街づくりまんぼう」の木村仁社長は「設立に尽力された方々のおかげで今がある。20周年は通過点。50年、100年後まで続けられるよう支援をお願いする」と感謝した。

 市かわまち交流センターであった対談「石ノ森萬画館ができたワケ」(まんぼうと実行委主催)では、萬画館を設計した黒木正郎さんら設立に携わった5人が対談。1995年に菅原康平元市長が提案した、漫画を生かしたまちづくり構想を商店主や漫画家らが後押しした軌跡を振り返った。

 市民グループで署名活動などを展開した日本料理店八幡家社長阿部紀代子さん(59)は「一人一人に趣旨を説明して歩き、仲間を増やしていった」と振り返った。漫画家組織「マンガジャパン」世話人の木村直巳さん(58)は「世界中の漫画家が石巻に集うイベントを目指したい」と語った。

 萬画館は2001年、中心市街地活性化の切り札として開館。「サイボーグ009」などを生み出した故石ノ森章太郎さん(登米市出身)の世界を中心に、漫画やアニメの情報を発信し続けている。10周年の節目に震災に遭い、1階天井まで津波被害を受けたが、全国からの支援で翌12年11月に再オープンを果たした。20年間の来場者数は353万522人(21日現在)。

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