MY五輪 石巻地方から>コロンビア出身・阿部桂子さん
新型コロナウイルス禍で異例ずくめの東京五輪が始まった。各国のアスリートが集う祭典への思いや注目ポイントは-。石巻地方に暮らす外国人の方々に「私の五輪」について聞いた。
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■コロンビア出身・阿部桂子さん(石巻市井内)
応援メッセージとして阿部桂子さん(62)が選んだのは「さあ行こう」の意味がある「バーモス」。
世界的なコロナ禍の中、集った選手に対して阿部さんは「スポーツの力でみんなに希望と光を届けてほしい」と前進する姿にエールを送る。
東日本大震災からの復興五輪とも位置付けられている今大会。「選手の皆さんと共に困難に打ち勝ち、『もうちょっと踏ん張ってみよう』と前を向きたい」と阿部さん。
遠洋マグロ船員だった夫の良彦さん(65)と知り合い、結婚。1992年に来日し、石巻での生活も30年目を迎えた。
一男一女は独立し、現在は義母サツコさん(88)と3人暮らし。石巻に住む南米出身者でつくる「エスペランサ・デ・ラティーノ」(中南米の希望)のまとめ役を務める。
6月には強く希望していた東京五輪聖火リレーのランナーとして遠洋漁船の母港、気仙沼市の海岸沿いを走った。「日本とコロンビアはもちろん、全ての選手が持てる力を出してほしい。石巻のおうちから精いっぱいの応援をしたい」と、阿部さん。満面の笑みを見せた。
私の古里こんな国「コロンビア共和国」
<エメラルド世界シェア8割>
公用語はスペイン語。太平洋と大西洋を結ぶパナマ運河の南東200キロ、南米の玄関口に位置する。首都はボゴタ。面積114万平方キロメートル、人口は5050万(2020年)。コーヒー、バラ、世界シェア8割を占めるエメラルドの産地。
スポーツはサッカーや自転車が盛ん。五輪では前大会までに女子自転車2、同重量挙げ1、男子同1、女子陸上三段跳び1の計5個の金メダルを獲得。ボクシングや柔道などで銀9、レスリングなどで銅14。