東松島産酒米で地酒開発、味好評 農家の若手後継者と酒販店がタッグ
東松島市産の酒米を使った純米吟醸酒「想~kokyo~」(コキョウ)が完成し、6日、市内で販売が始まった。市内の酒販店と農家の若い後継者が主体的に手掛けた地酒。ふるさと納税の返礼品としても活用される予定で、市の活性化に貢献する新たな銘柄品として期待される。
kokyoは、佐藤農園(東松島市大曲)の佐藤光樹さん(31)が育てた酒米「蔵の華」を100%使用し、「伯楽星」などで知られる蔵元、新沢醸造店(大崎市)が仕込んだ。新沢醸造店と共に、酒販店大江酒店(同市小松)の大江智尚さん(30)が独自ブランド化した。
ラベルには、全国的にファンの多い航空自衛隊松島基地(東松島市)の曲技飛行チーム「ブルーインパルス」を採用した。
「想~kokyo~」と書いてコキョウと読ませる商品名について、大江さんは「古里に貢献したい思いを込め、日本酒になじみの薄い若い世代にも親しんでもらいたいと横文字にした」と語る。
開発は、佐藤さんの酒米栽培への挑戦がきっかけ。東京で会社員をしていた佐藤さんは、農業で何かできないかと帰郷し、2019年から作付けに挑戦。新沢醸造店に相談する中で熱意を買われ、20年に40アールに作付けした蔵の華約2トンを買い取られ、商品化に至った。佐藤さんは「品種を試行錯誤し、敷地の一角で始めた酒米栽培が形になってうれしい」と話した。
6日に同市大曲の一般社団法人東松島みらいとし機構(HOPE)でお披露目会があり、関係者ら約20人が参加。「飲み口がいい」「キレがある」「東松島らしいラベルで観光客にもアピールできる」と好評だった。
4合瓶のみで、価格は2420円。大江酒店で販売する。8月中にふるさと納税の返礼品に採用される予定。連絡先は大江酒店0225(82)2343。