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石巻市人口ビジョン改定へ 減少速度、想定より早く 対策を強化

 石巻市は市人口の将来推計で「2060年に10万人を維持」としていた目標を見直し、9万4000人に下方修正する「人口ビジョン」の改定案をまとめた。人口減少が想定よりも早く進んでいるため。子育てしやすい環境づくりや雇用の創出を進め、新たな目標の達成を目指す。

 2020年国勢調査の速報値で、市の2020年10月時点の人口は14万237人だった。市が15年に策定した従来ビジョンの目標値より2946人、18年の国立社会保障・人口問題研究所(社人研、東京)の推計より588人下回った。

 従来ビジョンの目標値に対し、15年国勢調査の実績値は0~4歳、20~24歳の世代でそれぞれ大きく下回った。市は出生数の減少と進学や就職をきっかけとした若者の市外への流出が影響していると分析する。

 社人研の18年推計は、40年の市人口を9万6913人、60年を5万9811人と予測した。市はこれをベースに、課題となっている出生率向上や人口流出対策の施策が効果を発揮した場合を試算。40年人口は11万3284人、60年人口は9万4384人と推計し、目標値に定めた。

 新しいビジョンでは、出生率は本年度に始まった県の総合計画に準じ、19年度の1.25から30年に1.60、40年に2.07に引き上げると設定。転入・転出の社会動態は転出超過を徐々に縮小し、40年以降は増減ゼロが続くと仮定した。

 市は目指すべき将来の姿として、東日本大震災からの復興で生まれた関係人口の拡大や地域産業の発展、誰もが結婚や出産の希望をかなえられる環境づくりを掲げる。

 市SDGs地域戦略推進室の担当者は「自治体単独で即効性のある施策を打ち出すのは難しいが、地道に取り組んで種をまいていきたい」と語った。

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