エンタメ施設整備に　石巻劇場芸術協会、ＣＦスタート

　石巻劇場芸術協会は、石巻市中央１丁目の空き家（旧清野ふとん店）を活用した複合エンターティメント施設を造るため、クラウドファンディング（ＣＦ）を始めた。中央１丁目エリアは、かつて日活パール劇場のあった「文化通り」と呼ばれた場所。関係者は「文化通りに街の灯をともし、にぎわいを創出したい」と意欲を燃やす。目標金額は３００万円で、企業や個人の協力を呼び掛けている。

　東日本大震災以降、石巻市内では壁面を活用して映画を上映する「野外映画上映会」や、劇場でない場所での「いしのまき演劇祭」など映画・演劇・音楽のイベントが多く行われ、文化活動が盛んになっている。

　こうした状況を踏まえ、芸術協会の矢口龍太代表は「文化の灯をコロナ禍でも絶やさず、劇場、飲食店、ファッションなどを楽しめる拠点をつくり、文化通りを盛り上げたいと思う」と話す。

　施設をオープンするために必要な資金は７００万円を見込む。４００万円は自己負担金、寄付金で賄い、クラウドファンディングは初期費用として残りの３００万円を目標に掲げる。返礼品は、映画や演劇の自主イベント参加券つづり（１２回分）、石巻こけし、地場産品、部屋をなんでも利用権などを予定している。

　建設予定地の空き家は、日活パール劇場に隣接する。芸術協会では、目標とする一定の金額を上回った場合には、シアター部分２階の空き部屋六つを活用し、古着屋、古本屋、レコードショップ、雑貨屋などを誘致し、アパートメントショップとして運営したい意向だ。

　矢口代表は「演劇や音楽、映画など文化愛好者だけでなく、子どもからお年寄りまで世代を超えた交流の場にしたい」と話し、９月末までに数回のＰＲイベントも通してＰＲにも努める考えだ。

　寄付先は、七十七銀行石巻支店、口座番号５０２５６７６、口座名義石巻劇場芸術協会。連絡先は、０９０（３９８３）２１２１の矢口さんか、０８０（１８１３）８６７３の阿部さん。