大川コミュニティセンター開所、新たな活動拠点に 住民組織が管理運営
東日本大震災で甚大な被害を受けた石巻市大川地区の地域活動拠点「市大川コミュニティセンター」が、同市福地に開所した。住民組織が管理、運営し、地域コミュニティーの活性化に活用する。
センターは木造平屋で延べ床面積は597平方メートル。体育館や会議室、調理室、ホールなどを備える。木材の温かみを生かした造りで、体育館は震災前に同地区で盛んだったバレーボールのコートを取れる大きさにした。事業費は3億4497万円で、復興交付金などを活用した。
大川地区は震災で、地域活動の中心だった大川小、中学校や農林漁業者トレーニングセンターなどが被災。住民交流や地域の祭り、スポーツなどに使える施設がなくなり、地元住民から整備の要望が出ていた。
開所式が7月30日に現地であり、住民や工事関係者ら約50人が出席した。斎藤正美市長は「震災から10年。苦労、不便を長くお掛けした。施設を有効に活用し、活力と笑顔にあふれ、充実した生活を送れるように期待する」と述べた。
大川地区は震災前、9行政区に733世帯2511人が暮らしていたが、今年6月末現在では6行政区の335世帯824人に減った。
センターの指定管理を担う住民組織「大川地区振興会」の大槻幹夫会長(78)は「ようやく拠点ができ、便利になる。難しい課題はあるが、支援をもらいながら地区の再生を目指していく」と語った。