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まん延防止再適用 石巻地方の飲食店、時短要請に肩落とす 「対策重ねてきたのに」

完全個室に改装し、消毒などの対策も徹底する牛仁石巻駅前店

 新型コロナウイルスのまん延防止等重点措置が20日、宮城県に再適用される。県は県内の全飲食店に午後8時までの時短営業(酒類提供は仙台市を除き午後7時まで可)を要請する。前回(4月5日から5月11日)の措置解除から3カ月余りでの再要請に、対策を重ねてきた石巻地方の飲食業関係者は肩を落とし、市民には困惑と不安が広がる。期間は9月12日まで。

 県独自制度で感染対策を認証された石巻市鋳銭場の焼き肉店「牛仁石巻駅前店」の吉田祐輔店長(36)は「感染拡大を食い止めるためには時短営業も仕方がない」と受け止める。衛生管理の国際基準「HACCP(ハサップ)」の認証も受け、5月には内装を大幅に変更した。全席を完全個室にするなど対応を重ねてきたが、客足は遠のいたままだ。吉田店長は「静かな営業を1年以上続けてきて、お客さんの来ない怖さを知った。安心して飲食できる環境づくりを続けるしかない」と言葉少なに語った。

 女川町内で飲食店2店を経営する兼宮商店の宮元潔社長(51)は、時短要請に従い閉店時刻を早めることにした。今年2月にオープンした「浜焼きコーナー」は観光客も訪れるため、首都圏の感染者の推移に左右されてきた。陽性者が増えたお盆前ごろから特に減ったという。夜の来店客には、酒類を提供できる時間が限られる。「常連客も増え、やっと定着してきたが、要請には応じるしかない。店を開けばその分軽費がかかる。協力金で賄えるか不安だ」と吐露する。

 石巻地方でも陽性者は増加している。市民レベルでの対策には限りがあり、困惑が広がる。石巻市水明南2丁目の佐々木三男さん(65)は「時短要請以上のこととなると経済が回らない。仕方がない。できることを徹底する」と語る。

 保護者は夏休み明け後も気掛かりだ。東松島市矢本の主婦(40)は「小学生の息子がおり、校内で感染が拡大しないか心配。これまでも外食自粛などはしてきた。基本的な感染防止対策を続けていくだけ」と口元を引き締めた。

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