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口腔湿潤ジェル原料に東松島産ラベンダー 仙台の企業が開発

ラベンダージェル(右)など製品を前にする吉田社長

 東松島市内で無農薬栽培するラベンダーなどを原料に使った歯周病の予防改善や全身のスキンケアに使える口腔(こうくう)湿潤ジェル「ヒューマンケア ラベンダージェル」(120ミリ、6600円)を仙台市青葉区の歯科医師が開発した。治癒力を向上させるという「善玉菌の増殖促進」に着目した。

 開発、販売するのは東邦歯科診療所の吉田直人歯科医師(78)が社長を務める仙台市のベンチャー企業「あ・ラベンダードットコム」。吉田社長は「口内だけでも約800種類の常在菌が生息し、虫歯や歯周病の原因菌となる悪玉菌と、治癒力を高める善玉菌がせめぎ合いをしている。善玉菌を増やし菌のバランスを整えることが健康維持に必要」と説明する。

 消毒液や抗生剤を使う従来の歯科治療では、「無菌状態となり善玉菌も死滅させ、病状が悪化する」と危機感を持ち、開発に着手した。抗酸化作用がある国産柿タンニンや希少な植物性ミネラルといった天然成分を配合。主成分で防腐剤代わりにもなるラベンダーオイルは栽培から取り組むことにした。

 東日本大震災の復興支援も目的に、2014年から東松島市大塩の赤坂農園内で自然農法で育てる。抽出方法にもこだわり、成分濃度を高めるため花芽のみを使用している。

 「手間とコストがかかるため、この手法は世界的にも他にはないのでは」という。化粧品の製造原価率が20%程度と言われる中、50%と高く、利益につなげるのは難しいが「治療に有効で、安心して使える製品を作るため」と話す。

 開発に15年をかけ、昨秋完成した。診療所の患者が試しに肌に使ったところ、肌荒れが改善したという報告を受け、化粧品兼用として製品化した。診療所と同社のホームページで販売すしている。連絡先は022(265)4141。

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