河北春秋(9/5):火山活動によってできた巨大なくぼ地をカル…

 火山活動によってできた巨大なくぼ地をカルデラと呼ぶ。観光地として九州の阿蘇山が有名だが、大崎市の鬼首温泉郷周辺の景観も素晴らしい。鬼首火山の噴火で形成された▼山形県境の花立峠から禿岳(かむろだけ)(1261メートル)に至る登山道は外輪山の縁に当たる。ブナ林の急な坂を上り尾根に出ると、東側の壁が切れ落ちている。眼下に緑豊かな高原やダム湖が広がり、中央火口丘の荒雄岳(984メートル)を望める▼「美しいだけではない。地下には地熱資源がある」。岩石と水の関係を研究する土屋範芳東北大教授は強調する。先月下旬、大崎市内の東北大出前講座で再生可能エネルギーの重要性を熱く語った▼近年、地球を構成する核、マントル、地殻に大量の水が含まれることや、大気圏を含めて水が循環する過程が解明されてきた。「地表だけでなく地球全体が水の惑星だ」と土屋教授。こうした研究は、地下の蒸気でタービンを回す地熱発電への追い風になるという▼東北には、休止中の鬼首地熱発電所などが立地するが、九州に比べて開発は遅れ気味とされる。温泉街から資源の枯渇を懸念する声が根強いのも一因だ。地熱開発のためには、最新の研究成果を伝え、情報を共有することが第一歩。カルデラの景観と併せて鬼首の活性化に役立てたい。(2021・9・5)

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