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しょくば拝見>船舶販売・修理 野村モータース(石巻市不動町2丁目)

「お客さまの笑顔のために」をモットーに仕事に取り組む野村社長(前列右から3人目)と社員ら

<漁業者の仕事を支える>

 ヤマハ発動機のディーラーとして船外機や和船の販売、修理を手掛ける。石巻市北上地区から松島町までが主な商圏。養殖業の漁業者が中心の顧客は約1000人に上る。営業と修理を兼務する社員が沿岸部を毎日回り、漁業者の仕事を支える。

 東日本大震災の津波で本店が全壊し、工場も水没した。浜を回ると船を失った漁業者から「頑張れ」「早く再開してくれ」と励まされた。2カ月後に事業を再開。一日でも早く船を届けようと、メーカーに増産を頼み、艤装(ぎそう)作業を急いだ。5年間の納品は新船だけで約650隻に上った。野村和宏社長(62)は「社員全員が頑張り、何とか乗り越えられた」と振り返る。

 2017年10月、現在の本店兼工場を再建した。県産材を使ったショールームは明るく開放的。工場に設けた大型水槽は、エンジンを全開状態でテストできる。同規模の設備を持つディーラーは他にないという。

 新しい挑戦も始めた。船に関する知識やノウハウを生かし、8月30日に全面運用がスタートした石巻市南浜マリーナの指定管理者に就いた。

 マリーナはプレジャーボートなどの小型船舶を陸上で保管する施設。漁港部などの水上で係留するのに比べ、台風接近時なども安全。船底をきれいな状態で保てるのも利点だという。

 海や川を生かしたレジャーの拠点化も目指す。野村社長は「地元の人が利用し、石巻の魅力を再発見する施設にしていきたい」と意気込む。

■会社概要
 野村社長の父が1958年、オートバイの販売、修理業として石巻市八幡町で創業。71年に工場を不動町に移し、船舶の仕事を始めた。従業員数は役員を含めて12人で、野村社長と妻の貴美専務を除いた平均年齢は32歳。資本金1000万円。石巻市不動町2の16の1。0225(95)2165。

野村モータース
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