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防災週間 災害時、住民の安全守る 石巻で訓練

災害対策室で情報収集などの訓練に当たる職員=1日、国交省北上川下流河川事務所
交差点付近で誘導の訓練をする署員=2日、石巻市双葉町

 防災週間(8月30日~9月5日)に合わせて、石巻署と国土交通省北上川下流河川事務所は、地震や津波など災害発生時に備えた訓練を行った。市民の安全を守る機関として有事の初動や適切な誘導態勢の確認、向上に努めた。

<広域対応手順を確認 北上川下流事務所が訓練>

 国交省北上川下流河川事務所は1日、地震と津波を想定した総合防災訓練を石巻市蛇田の同事務所を主会場に行った。災害発生時に広域的な対応に当たる職員の防災能力向上に努めた。

 訓練は管内で最大震度6の地震が発生し、津波警報が出されたとの想定で行われた。東北地方整備局(仙台市)を本部とし、同事務所には災害対策支部を設置、職員52人が参加した。

 情報収集、施設巡視など計17班に分かれて訓練に当たった。自治体への職員派遣、浸水した地域への排水ポンプ車の出動手配など、状況に応じた適切な任務遂行の手順を確認した。

 事務所近くの石井水門では公衆通信網の途絶を想定し、新型無線機i-RAS(アイラス)を使った通信訓練も行われた。

 高田浩穂技術副所長は東日本大震災から10年がたったことに触れながら「異動で人員も変わっている。訓練を通じて引き続き、初動の確認、適切な対応を高めていきたい」と話した。

<渋滞想定し避難誘導 石巻署が交差点10ヵ所で>

 石巻署は2日、大津波警報発令時を想定した避難誘導訓練を管内の交差点で実施した。災害発生時に適切な誘導ができるよう、非常時の体制や現場の状況などを確認した。

 管内の主要幹線道路が交わる約10カ所の交差点で実施、約30人が参加した。午前9時に大津波警報が発表された設定で、現場付近を走る車を高台の避難所に誘導する手順を確かめた。

 発令から約5分後、石巻市双葉町の交差点には署員2人が到着。計5本の道路が集まり、災害時の渋滞が予想される複雑な交差点だ。署員は市総合体育館や日和山公園、石巻中など、高台の指定避難所へ円滑に誘導できるように備えた。

 東日本大震災では、津波が到達する直前まで避難誘導をしていた県沿岸部の署員が犠牲になる事例もあった。署員はパトカーに常備されているライフジャケットを着て誘導訓練に当たった。

 豊川弘樹警備課長は「市民の方々には早めの避難を心掛けてもらい、署員も確実な避難ができるよう、今後も定期的に現場を確認していく」と話した。

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