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住みよいまちへ 東松島・塩入シニアの会、地域の助け合いに貢献

県道石巻鹿島台色麻線脇の雑木を伐採する会員たち。ごみ拾いから力仕事まで、各自ができることで貢献する

 東松島市大塩の塩入地区の高齢者で組織する「塩入シニアの会」が地域の助け合い活動に奮闘している。県道の除草や植栽に無償で取り組み、高齢者宅の草刈りなどは有償で請け負う。「体が動くうちは支える側に、体が動かなくなったら支えられる側に」をモットーに、会員同士が親睦を深め、住みよいまちづくりに汗を流す。

 シニアの会は2020年5月、18人で発足した。現在は65~83歳の男女27人が地域の環境整備を中心に活動する。

 県の「スマイルサポーター」の認定を受け、県道沿いのごみ拾いや除草、雑木の伐採に取り組む。古くから祭られてきた馬頭観音や庚申塚周辺の草取りも担い、秋には会員が植えたヒガンバナが地域を彩る。

 会員の体力を考慮し、作業は1回2時間以内に抑えている。草刈り機での作業の他、ゆっくり歩きながらのごみ拾いなど各自ができる範囲で行う。

 会長の辺見健治さん(77)は「お茶飲みだけでも歓迎」と語る。作業をきっかけに地域活動に参加するようになった会員もいる。

 農村地域の塩入地区の人口は274、65歳以上が44.5%(市平均30.6%)と高齢化が著しい。約80世帯中、半数が65歳以上の単身者か夫婦のみで、庭の手入れや畑の管理をはじめ、日常生活に不自由する世帯が増えている。

 シニアの会は、依頼を受けた高齢世帯の草刈りや清掃を中心に、高齢者には重労働となる精米などを請け負う。作業代金は1人当たり30分300円。草刈り機を使う場合は1台300円を追加し、燃料や替え刃の購入に充てる。

 本年度中には75歳以上の高齢者世帯の見守り活動を始める方針。独居か夫婦のみ世帯を想定する。これまで1人暮らしの高齢者が自宅で倒れていたり、亡くなっているのを会員が発見したことがあった。

 新型コロナウイルスの感染拡大でお茶飲みの機会もなくなり、隣近所のつながりは薄れる一方だ。希望する高齢者宅を定期的に訪ねて話に耳を傾け、必要に応じて専門機関につなぐ。

 辺見さんは「行政に頼るだけでなく、高齢者自身が助け合い、地域を良くすることが重要。高齢者の経験と知恵を生かせば役に立てることは大いにある。仲間を増やし、息の長い活動を続けたい」と語る。

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