石巻北2年が銅賞獲得 高校生模擬裁判選手権
第14回高校生模擬裁判選手権(日本弁護士連合会主催)で石巻北高2年の男女10人が銅賞に選ばれた。生徒たちは「刑事手続きの意味や刑事裁判の原則など勉強になった。今後の高校生活に生かしていきたい」と手応えを語った。
大会は、一つの事件を素材に、法律実務家の支援を受けながら、参加各校が検察、弁護両チームを組織し、生徒自身の発想で争点を見つけ出して整理し、証人尋問、被告人質問などを行う。模擬裁判の経験を通じて、物事のとらえ方や表現する方法を学び、刑事手続きの意味や刑事裁判の原則を理解することが狙い。
これまで参加は首都圏を中心とした高校に限られていたが、今年は新型コロナウイルス感染拡大の影響で初めてオンラインで開催。出場枠を全国30校に拡大して行われた。石巻北は東北から唯一参加した。
参加を呼び掛けたのは2年生の社会科を担当する山口房子、片平有香両教諭。山口教諭は「模擬裁判を通して物事をいろいろな角度から見る力や、プレゼンテーション能力が身に付くと思った」と動機を話した。
大会は8月7日にあり、公務員の収賄を題材に進められた。参加校には事前に調書や証拠資料が配布され、約1カ月半の準備期間が与えられた。日弁連から依頼を受けた弁護士3人や検察官が7月初旬から数回にわたって石巻北高を訪れ、生徒たちの指導、助言に当たった。
選手権本番では検察側、弁護側の立場で、上田高(長野県)、北陸高(福井県)と対戦。被告人質問や、証人尋問、論告・弁論などに挑み、それぞれに有罪、無罪判決を目指した。
検察側に立った中村優衣さんは「初めて聞く法律用語など最初は難しかった。リモートでの参加で緊張もしたけれど、相手側の表情に注意しながら取り組んだ」と振り返った。弁護側の岡咲哉さんも「証拠を見つけるのが大変だった。弁護士の苦労がわかった」と、感想を語った。
山口教諭は「レベルの高い大会だったが、弁護士や検察官の皆さんが丁寧に教えてくれた。生徒たちからは参加して良かったという声が相次いだ。達成感があったと思う」と話した。