デスク日誌(9/23):読みたい記事

 東日本大震災8年をホップ、9年をステップ、節目の10年をジャンプと位置付け、この間、同僚たちに「自分が読みたい記事を書いて」とお願いしてきた。

 岩手、宮城、福島の被災3県にある総支局の記者たちと打ち合わせをする中で「一つの道しるべになれば」との思いからだ。

 場所を変え、人を変え、2年以上会議を重ねてきた。震災がもたらした様相は一様ではなく、被災3県とひとくくりにできない課題ばかり。「あれもこれも」。会議のたび、書かなければならないテーマばかりが積み上がる。

 ただ、「これは書くべきだ」と肩に力が入ると、出来の悪い大学生のリポートのような原稿に陥りかねない。「自分が読みたいか」とのシンプルな問い掛けが、記事の質を担保する。

 仕事の大半、おそらく8割は義務や強制、またはルーティンに近い内容だ。残り2割を「心からやりたい仕事」に振り向けられている記者は輝いている。

 記者は自分が書いた記事の最初の読者でもある。「心から読みたい」と書いた記事に魂が宿るのは必然。震災以外の記事にも通じる法則だろう。(報道部担当部長 山崎敦)

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