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稲刈りで実りの秋体感 石巻

手作業で稲を刈り取る長浜幼稚園の園児
秋晴れの下、学校田で稲刈りをする大谷地小の児童ら

<黄金色の穂 鎌使い収穫・長浜幼稚園>

 石巻市さくら町の私立長浜幼稚園(園児143人)の年長児が21日、園近くの田んぼで稲刈り体験をした。

 東日本大震災の被災地支援に取り組んできた神戸市の一般社団法人「神戸国際支縁機構」が企画。園児約60人と園と機構の職員らが参加した。地元農家から借りた4アールの水田で、5月に田植えをして無農薬、有機栽培で育てたひとめぼれを収穫した。

 園児は職員と一緒に鎌を持ち、黄金色に実った稲穂を手作業で刈り取った。工藤好美玲ちゃん(6)は「稲が大きく育ってうれしい。お米を食べるのが楽しみ」と笑顔を見せた。

 刈り取った稲は、はせ掛けにして天日干しし、10月に脱穀、11月に1合ずつ園児に配って各家庭で味わってもらう。例年は保護者らを招いて収穫祭を開いていたが、新型コロナウイルスの影響を考慮し昨年に続いて今年も見送る予定。

 田植えと稲刈りは2012年に始まり、今年で10回目となった。機構の岩村義雄理事長は「1次産業は後継者不足だが、子どもたちには幼い頃から親しんでもらいたい」と話した。

<2年ぶり実施 思い込め・大谷地小>

 石巻市大谷地小(児童120人)では15日、校舎東側に隣接する学校田で稲刈りがあった。田植えは5月12日で、新型コロナウイルス禍で2年ぶりに行った。2年分の思いを込めた稲刈りとなった。

 刈り取りは4~6年生55人が行い、低学年はその様子を見学した。鎌を使った昔ながらの稲刈りで、秋晴れの下、各学年が4班ずつに分かれて、約10アール分のひとめぼれを収穫した。

 5年生の永沼亜美さん(11)は「みんなで稲刈りをするのは楽しい。上手にできて良かった。おいしいお米ができたと思う」と、顔をほころばせた。

 例年、収穫した米は保護者と一緒におにぎりにして味わう。今年はコロナ禍のため、脱穀した米を児童それぞれが持ち帰り、家族で味わうことになった。

 児童らの稲刈りを指導したり、見守ったりした教諭、保護者は「来年はみんなでおいしいおにぎりを食べ、収穫の喜びを分かち合いたい」と話していた。

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