おながわオーシャンフーズ、破産手続き開始　コロナ禍追い打ち

　女川町の水産加工業「おながわオーシャンフーズ」は２９日までに、仙台地裁から破産手続きの開始決定を受けた。決定は２１日付。帝国データバンク仙台支店によると、新型コロナウイルスの影響による関連倒産とみられる。負債額は調査中。

　町は２０１３年、東日本大震災で被災した水産加工業の復興を目指し、施設建設費の最大８分の７を補助する国の交付金を活用して「水産業共同利用施設復興整備事業」を実施。オーシャンフーズは交付決定の第１号だった。

　魚類の加工販売業者などが出資して１３年に設立し、６次産業化を視野に北洋冷凍魚の加工、販売などを手掛けた。補助金を活用し、町が整備した水産加工団地に工場を建設。１５年に稼働させたが、効率運用が進まず、仕入れ価格高騰などから経営は厳しかった。

　２０年１２月期は売上高約２億円で、営業損失約３０００万円を計上。コロナ禍も追い打ちとなり、資金繰りに行き詰まった。