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訪問歯科診療が本格始動 東松島のクリニック、通院困難者をケア

訪問歯科診療の専門チームを立ち上げた門脇院長

 東松島市で地域に根差した訪問歯科診療が本格的にスタートした。同市矢本穴尻の東松島かどわき歯科クリニックで1日、門脇研司院長(44)が立ち上げた「訪問専門チーム」(訪問歯科診療部)の出発式があった。チームは歯科医師、歯科衛生士、訪問歯科コーディネーターの3人一組で、介護施設や自宅で寝たきりなど通院が困難な患者の元を訪問し、口腔(こうくう)ケアや歯科治療を行う。

 門脇院長は東松島市出身。東京の歯科クリニックに勤務していた2011年に起きた東日本大震災をきっかけに古里で開業しようという意思が固まった。「東松島市は高齢者が多く、訪問診療は避けて通れない」と判断、翌年から訪問歯科診療に特化した埼玉県の医療法人で研さんを積んだ。

 18年6月に現在地に開業。これまで昼休みを利用して市内の病院や在宅患者、介護施設を訪問し、試験的に取り組んできた。専門チームには、施設や在宅患者の家族とクリニックを仲介する訪問歯科コーディネーターを配置した。機材を積んだ車両で、専門チームが訪問診療するのは石巻地方では初めて。本格始動に向け約1カ月間、市内の施設で高齢者に向き合った。

 門脇院長は「少しでも地域医療に貢献したい。口腔内の健康は老後の健康寿命、QOL(生活の質)の向上につながる。地域に訪問歯科診療を浸透させたい」と話した。

 1日の出発式には住民や来賓ら約40人が出席。渥美巌市長は「市民の健康を守るためにも訪問診療をさらに充実、発展させてほしい」とあいさつ。東北大の佐々木啓一副学長は「安全で満足のいく治療のため、行政、介護、住民と連携して進めてほしい」と述べた。

 訪問診療は平日午前10時~午後4時。対象エリアは東松島、石巻両市。連絡先は0225(83)6480。

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