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宮城知事選 現新2氏が第一声 復興、子育て支援訴える

 任期満了に伴う知事選は14日告示され、ともに無所属で、新人の元石巻市包括ケアセンター所長で医師の長純一氏(55)と、5選を目指す現職の村井嘉浩氏(61)が立候補した。4期16年にわたった村井県政の評価、東日本大震災からの復興完遂への道筋、新型コロナウイルス対策などが主な争点になる。

 両候補は届け出後、それぞれ第一声を上げ、17日間の選挙戦に入った。投開票は衆院選(19日公示)と同じ31日。

■長 氏 優しい県政へ転換

 長候補は午前9時半ごろ、仙台市青葉区の一番町平和ビル前で第一声を上げた。

 支援する立憲民主党や共産党など野党系県議、支持者や通行中の市民らを前に「強い政策から優しい政策への転換が必要。命と暮らしに優しい県政を目指す。新たな人に任せてほしい」と訴えた。

 県民の声を反映した対話重視の県政運営を強調。医師と行政職員の経験を生かし、地域包括ケアの推進や地方の医師不足解消といった医療・福祉の拡充を公約に掲げた。少子化対策も最重要課題の一つに挙げ、女性の視点に立った子育て支援に力を入れる。

 村井氏による仙台医療圏4病院の再編や東北電力女川原発2号機(女川町、石巻市)再稼働の「地元同意」の撤回を打ち出し、対決姿勢を鮮明にする。

長 純一氏(ちょう・じゅんいち):東京都出身。信州大卒。長野県の病院勤務を経て2012年、石巻市立病院開成仮診療所長。21年2月まで市包括ケアセンター所長を務めた。

■村井 氏 被災者に寄り添う

 村井候補は、午前11時すぎ、東日本大震災の被災地の一つである気仙沼市で第一声に臨んだ。

 2019年に完成、開通した気仙沼大島大橋の大島側にある磯草駐車場でマイクを握った。「震災から10年、ここまで復興できた」と実績を強調。「心のケアを含め、今後も被災者に寄り添っていく」と、集まった約100人の有権者を前に訴えた。

 急激な人口減少が予測される中、1~3次産業の均衡ある経済振興、県内どこでも子育てがしやすい環境を整えるための基金設立を公約に掲げ、支持を呼び掛けた。

 仙台医療圏4病院の再編方針にも触れ、仙台一極集中から地方に目配りした県政を引き続き目指す姿勢を強調した。

村井嘉浩氏(むらい・よしひろ):大阪府出身。防衛大学校卒。陸上自衛隊東北方面航空隊などを経て県議3期。2005年知事選で初当選し4期目。

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