衆院選・宮城5区の選択軸、識者に聞く (1)コロナ対策

 ししど・ともあき 石巻市出身。弘前大医学部卒。東北大医学部第2内科、石巻赤十字病院第2内科部長などを経て1998年12月からししど内科クリニック(東松島市)院長。昨年6月から桃生郡医師会副会長(感染症対策担当理事)を務める。

 衆院選(31日投開票)は、与野党が論戦を過熱させている。令和初の政権選択選挙は何が問われ、国政に何が求められるのか。争点の新型コロナウイルス対策や東日本大震災の被災者支援などについて各分野の識者に聞いた。(4回続き)

     ◇

■桃生郡医師会副会長(感染症対策担当理事) 
 宍戸友明氏(62)

<医療人材の確保対策を>

-今夏の「第5波」では入院できない患者が増え、首都圏などでは自宅療養中の死者が相次いだ。懸念される冬場の「第6波」に備え、どんな対策が必要か。

 「第5波では一般病床を削って新型コロナ病床に充てた医療機関もある。コロナ専用病棟の整備を急ぐべきだ。スタッフの負担は増えており、医療人材の確保策が必要。子育て中の医師や看護師が子どもを預ける託児所も欠かせない」

 -早急な医療提供体制の拡充が求められるが、限られた医療スタッフの中で可能か。一般診療に影響は。

 「限られたスタッフでは厳しいと思う。8月の第5波では、通常診療をやりながら防護服に着替えてのPCR検査や個別のワクチン接種に加え、休日の当番医をこなし、集団接種にも当たる激務だった。入院患者を診ている施設では24時間の対応が必要となる」

 「大規模災害だと思って臨む医療スタッフの心意気だけに頼るのは限界がある。病院の外から見て医療崩壊でなくても、中ではギリギリの状態で医療を続けている。一般診療に影響があったのは確かだ」

-国や自治体が病床確保のために強制力のある措置ができるよう、政府が法改正をした場合は。

 「病床確保を一般病院に強制しても、医療スタッフに限界があるということ。大きな問題がある。人材確保のためには、定年や子育てで退職した医師や看護師が働ける環境を国、県がつくる。新型コロナに関する講演会や技術の復習をサポートしてほしい」

-ワクチン接種は進んだが、若い世代への広がりに欠ける課題が残る。

 「20~30代でも重症になる人がおり、後遺症は大変だ。それを防ぐのがワクチン。点滴による抗体カクテル療法の実施や経口剤の治験など治療法も進歩しているが、ワクチンに勝る対策はない」

 「その上で基本の感染対策(飛沫(ひまつ)感染予防のマスク着用、エアロゾル感染予防の換気、接触感染予防の手指の消毒)を続けてほしい。家族や大切な人を守るための行動だ」

-新型コロナ対策でどんな論戦を期待するか。

 「コロナとの闘いはしばらく続く。医療崩壊の寸前を経験しているので、パンデミック(世界的大流行)に備えた人材育成など大所高所からの政策が必要。コロナ後の社会づくりについても具体的な論戦を期待したい」

(聞き手は浜尾幸朗)

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