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命を守る決意新たに 石巻市学校防災推進会議 対応能力向上にも注力

学校防災教育の推進に意見を交換する出席者

 石巻市学校防災推進会議の第2回本会議が10月28日、同市防災センター多目的ホールであった。幼稚園から高校までの園長や校長をはじめ、町内会連合会などから関係者約30人が出席。「防災研修」「防災管理」「防災教育」のワーキンググループ(WG)の各担当者が5月中旬以降の取り組みを紹介しながら、子どもたちの命を守る学校防災教育の推進に取り組む決意を新たにした。

 「防災研修」では、蛇田小の柏晃司教頭が6月と9月の防災主任研修会や、8月に行われた学校防災フォーラムなどを振り返った。教職員の災害対応能力の向上への取り組み、学校と地域が一体となった「石巻スタイル」の発信などを説明。小中学校に対して、復興・防災マップづくりやコンクールへの積極的参加を呼び掛けていくことにした。

 「防災管理」では、渡波小の神崎忠康安全担当主幹教諭が学校防災マニュアルの点検、改善指導について指摘。「チェックリストを毎年見直し、より良いものに仕上げたい」と話した。

地域の実情に応じた学校防災体制の構築には、地域防災連絡会の重要性も指摘。「地域間の情報交換を活発に」と呼び掛けた。

 二俣小の佐藤貴司安全担当主幹教諭は、「防災教育」の中で小中高校から計4116点が集まった第8回防災合言葉コンクールについて報告。生徒の防災意識の高まりについて話した。防災教育副読本「未来へつなぐ」の活用状況調査にも触れ、「成果と課題を明らかにし、改訂に生かしていきたい」と語った。

 学校防災フォーラムでコーディネーターを務めた東洋英和女学院大の桜井愛子教授や、オンラインで山形大大学院教育実践研究科の村山良之教授、東北大災害科学国際研究所の佐藤健教授らも参加した。

 3人は東日本大震災の教訓を生かし、大川小事故検証報告書の24の提言を具現化するための要となる推進会議について評価。学識経験者ならではの専門的な意見や助言を行った。