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中小企業支援 石巻商議所と9金融機関が協定 事業承継や二重ローン、複雑化する課題解決へ

協定を結んだ石巻商議所と9金融機関の代表者たち

 東日本大震災や新型コロナウイルスの影響で苦境に立つ中小企業の支援を強化するため、石巻商工会議所と石巻市内に本社や支店を置く9金融機関が10月26日、連携協定を結んだ。情報交換を密に行い、地域の企業が抱える二重ローン問題や事業承継といったさまざまな課題の解決をサポートする。地域の総合経済団体である商議所と複数の金融機関が中小企業支援に関する協定を締結するのは県内で初めて。

 商議所と協定を結んだのは、七十七銀行、仙台銀行(仙台)、岩手銀行、東北銀行、北日本銀行(盛岡)、石巻信用金庫、石巻商工信用組合、日本政策金融公庫石巻支店(石巻)、宮城県信用保証協会(仙台)。

 相互に連携して企業の経営基盤強化や経営革新、販路開拓、事業承継、人材育成などを支援する。商議所と各機関の代表や実務担当者などが情報交換する場を定期的に設ける方針。復興庁宮城復興局、県、市、みやぎ産業振興機構とも連携する。

 協定の調印式が商議所であり、青木八州会頭や各金融機関の代表、県や市の職員ら約30人が出席した。青木会頭は「震災、台風、新型コロナで踏んだり蹴ったりの状況。会議所と各機関の持つ情報をすり合わせ、中小企業を支援していきたい」と呼び掛けた。

 調印式の後には、参加者が石巻地方の中小企業の経営状況や支援策などについて意見交換した。商議所の高橋武徳専務理事は市の基幹産業である水産業の現状を説明し「抱える問題が高度化、複雑化している。地域再生のために支援が必要だ」と協力を求めた。

 金融機関からは「コロナで飲食・宿泊などダメージが大きい企業と、小売業など巣ごもり需要で伸びている企業の二極化が進んでいる印象だ」「財務内容の苦しくない会社でも事業継続性に不安を持っている」といった報告があった。

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