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女川原発・硫化水素事故 タンク内の堆積物が原因 東北電、再発防止策

事故発生の原因を説明する東北電の担当者

 東北電力は5日、女川原発(女川町、石巻市)で7月に作業員7人が硫化水素を吸い込み搬送された事故について、硫化水素が発生した洗濯廃液のタンク内にあった多量の堆積物が原因だったと発表した。

 東北電によると、堆積物は廃液の洗剤成分を除去する際に生じる活性炭の汚泥。定期的な処理はしておらず、2013年以降は排出していなかった。

 タンク内には硫化水素の発生抑制のため、定期的に空気を入れている。効果が弱まっていたため事故の1週間前、通常より高い圧力で空気を注入。堆積していた汚泥がほぐれたことにより、事故当日の作業で多量の硫化水素がタンク内に放出され、通常の空調では排気しきれず、配水管から2号機建屋内に逆流した。

 再発防止策として、汚泥の年1回以上の排出や空調の排気量の増加、配管の逆流防止措置などに取り組むことを明らかにした。石巻労基署にも同日、改善報告書を提出した。

 東北電は「これまでは硫化水素が流出した事例がなく、発生する可能性を予見できなかった。今後はより慎重なリスク想定を行っていく」と説明した。

 事故では、2号機建屋にいた協力企業の作業員7人がめまいや吐き気を訴え、石巻市内の病院に搬送。経過観察で2人が入院した。

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