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「動く市長室」12年ぶり再開 牡鹿地区住民が悩みや要望 石巻市

住民が提言や要望を直接伝えた「動く市長室」

 石巻市は5日、市長が地域に出向いて市政への提言を聞く「動く市長室」を市牡鹿保健福祉センターで実施した。東日本大震災後に休止していた事業を12年ぶりに再開。震災で人口減少や高齢化が加速した牡鹿地区の住民からは、教育や医療、交通、防災などのさまざまな悩みや要望の声が上がった。

 住民約20人が参加した。斎藤正美市長は「まちづくりに提案をしてもらい、この地域に住んで良かったと思ってもらえる施策を進めたい」とあいさつした。

 一般社団法人鮎川まちづくり協会の斎藤富嗣代表理事は、若い世代の移住者らの住宅確保が難しい現状を説明。災害公営住宅などの入居条件の緩和を求め、「牡鹿には民間の賃貸住宅がない。地域特性を考慮してほしい」と訴えた。

 斎藤市長は「良い方法を考える。職住近接は重要。空き家をシェアハウスに活用するなどの方法も検討したい」と答えた。

 鮎川地区の女性は、観光施設「おしかホエールランド」への年間パスポート導入を提案。「クジラが大好きな5歳の孫と一緒によく行くが、毎回400円かかる。年間パスがあればうれしい」と語った。斎藤市長は「ぜひやりたい」と即答した。

 住民からは、地区内3小学校の統合や牡鹿病院の存続、東北電力女川原発(女川町、石巻市)で重大事故があった場合の避難道路の早期整備などを求める意見もあった。

 動く市長室は2005年の市町合併後、旧6町地区で開催。亀山紘前市長も09年度に実施したが、震災後は休止していた。

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