<東北の本棚>発掘調査分かりやすく

続・東北の名城を歩く 南東北編/飯村 均、室野 秀文 編

 宮城、山形、福島の南東北3県に残る66の城跡を紹介する。1カ所ずつ城の周辺図や現在の様子が分かる写真などを添え、城の歴史や発掘調査の状況などを分かりやすく解説している。

 3県に残る城や館の跡は3000を超えるという。誰もが知るような66の城館は2017年出版の「東北の名城を歩く 南東北編」で紹介済みだ。従って、本書にあまり著名な城は載っていない。その中で知られた城はといえば、船岡城(宮城県柴田町)、米沢城(米沢市)あたりか。

 船岡城主だった原田甲斐は17世紀の伊達騒動の中心人物。城跡は現在、桜の名所になっている。米沢城は、藩制時代に仙台藩主を務めた伊達氏が岩出山城(大崎市)に移るまでの本拠地で、後に上杉氏の居城になった。

 やぐらが現存する涌谷城(宮城県涌谷町)などもあるが、多くの城館跡は、ほとんどの構造物が失われている。素人がかつての雄姿を想像するのは難しい。本書を読み、城の概要を頭に入れた上で城跡巡りに臨めば、歳月の流れに消えた歴史ロマンを肌で感じられるだろう。

 編者の2人をはじめ、地域の歴史に詳しい28人の研究者が解説を執筆する。所在地や交通アクセスも明記してあるのがありがたい。(矢)

 吉川弘文館03(3813)9151=2750円。

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