石巻赤十字病院、コロナ下想定し実働訓練 大災害時も対応円滑に
石巻赤十字病院(石巻市蛇田)は13日、新型コロナウイルス禍の中での災害に備える大規模地震災害実動訓練を実施した。治療の優先順位を決めるトリアージと、感染疑いの有無で患者を分けるエリアの新設など、傷病者の感染を考慮した初動態勢を検証した。
関係者約210人が参加した。訓練は前日に三陸沖を震源とする最大震度7の地震が起き、多数の負傷者が発生したと想定。県内で1日当たり40~50人のコロナ感染者が確認され、院内にも市中感染したとみられる患者がいる-の想定も加えた。
病院玄関前でマスクやゴーグル、ガウン、手袋の防護具を装着した医療スタッフが傷病者役の職員や看護学生を次々と受け入れ、トリアージを実施した。
軽傷者には看護師が発熱をはじめ、嗅覚や味覚の異常、頭や喉の痛みがないかなどを聞き取り、抗原検査キットを使い、感染しているかどうかを調べた。感染疑いの有無で別々のテントに分けた患者を医師が診療した。参加者はそれぞれの対応状況を伝え合い、改善を加えながら一連の流れを確認した。
コロナ禍での大災害を想定した訓練は、昨年に続き2回目。同病院の市川宏文災害医療研修センター長(58)は「災害発生時に迅速に動ける準備を進めて行きたい」と話し、「陽性となった患者の受け入れ先に関しては、保健所などと相談して地域で解決していくべき課題だ」と強調した。
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